カイエ

雑感や仮想

蛍灯

     私あんたのことを思い出すばかりで さみしい灯りをじっと眺めてたわ

     私あんたのことを甘やかすばかりで 大事なことはずっと隠してたわ

 

     優しさだけが正しいなんて言われなくてもわかっているわ

 

     私あんたのことが憎らしいばかりで 冷たい体をじっと揺らしてたわ

     私あんたのことが愛おしいばかりで すべてを捨てる覚悟があるわ

 

     心の奥でぶつかり合って傷つけ合うのも悪くないわね

 

     私あんたのことを思い出すばかりで さみしい灯りをじっと眺めてたわ

     私あんたのことを甘やかすばかりで 本気であんたを愛せなかったのね