桜桃忌
桜桃忌に『桜桃』を読んで太宰との訣別を決意した。「子供より親が大事」、「子供よりも、その親の方が弱い」などど、甘えている屑。だったら子供なんて作るなと思う。
自殺する人間が子供を作ってはいけない。弱い人間が子供を作ってはいけない。
今年、父親が自殺したという女に二人会った。彼女たちの悲しみはこの先も一生ついてまわり、その空虚を充たすことなど誰にもできない。到底消え去った者の穴を埋める代わりの人間なんていない。
弱くない人間なんていない。それは真理だ。だがそれを言い訳にして、新しい命を守る覚悟のないやつが、作らなければ無であったものを創造してはいけない。
命を大切にするとはそういうことではないのか。
私にはまだ、命を守る覚悟がない。新しい命も、自分の命も。