カイエ

雑感や仮想

けがれなき酒のへど

自分の人生を売り物、見世物にするということが、割と一般的になってきた世の中だけれど、私小説に文体が必要であるように、確立された独自のスタイルがなければ、ひどく陳腐なものになってしまうのだろう。それは方法に自覚的になるということであり、生き方を考えるということでもある。西村賢太私小説は私に力をくれる。あくまで「私」の世界でありながら、その生命力は他者に伝播する。