カイエ

雑感や仮想

2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧

paionia『白書』1.バックホーン

世界史の授業中に机に突っ伏してぼんやりと窓の外を見ている。資料集を読んで歴史という物語の中に入り込むことは好きだったけれど、基本的に単純暗記が点数につながる世界史の受験勉強には身が入らず、いつの間にか科目自体も好きではなくなってしまった。…

蚯蚓

例年より早い梅雨明けを迎えた七月は、最後の足掻きをみせる湿気と焦燥にも似た暑さを孕み、憂鬱を助長するのに持って来いだった。急に干上がった地面の上には何匹ものミミズの死骸が散らばっている。黒よりの赤黒い塊となった紐状のものが小さく丸まって一…