カイエ

雑感や仮想

神の視線

電車の向かい側に座っている人が隣の人のスマホを覗き込んでいる。隣の人はスマホをじっと見つめていて気づかない。僕はそののぞきという下品な行為を見ている。もしかすると、スマホを見ている人のスマホを覗いている人を怪訝な顔でみている僕のことを見ている人がいるかもしれない。人間の視線が目に見えるものであったなら、そんな風に視線は繋がっていて、一瞬でも全人類の視線が繋がるのが見えるかもしれない。いや、僕はその視線の繋がりの一部であるから、その繋がりを見ることは不可能なのだな。と、妄想してにやにやしていたら、子どもにじっと見つめられていた。