遮光
義務も責任もない夏の夜を何度も重ねてしまって、はて何もしていないはずだったのに、何もしない夜長を過ごすことが習慣となってしまった。習慣ということは地味に継続してなされるものだから、何かをしてしまっている気になる。というかもはや夜をまたぎ朝が来てしまって、いつも南向きの窓の左側から朝がやってくる。俺は何もしたくないし、何もせず疲れてなくても夜に寝たい。朝になると、青色の遮光カーテンがあっても部屋は薄明るくなって寝ずらいものだ。今日も何もしなかったと思いながらAskaの「帰宅」の歌詞を口ずさんだ。
君は今頃ベッドを起きだす頃だと思う
やっぱり僕らの日々はすれ違ってる
俺たちが探している光は太陽のような眩しすぎる光源なのか、遮られた微睡か。